戸倉がお届けする〝金曜日の日記〟。
昨夜は〝おやすみ工房〟をお聴きくださりありがとうございました。
今回は応募で届いたワード、
「春うらら」
そしてもう一つ、
「桜に」
実はこの「桜に」は私が友人から預かったワードだ。
その友人は菜緒にとっても大切な友人で、私が〝おやすみ工房〟を教えてから毎回聴いてくれている。
それは病室で。
もう81歳だと聞いて私も驚いた。
ニックネーム〝コサイン〟の彼は元々高校の教師で数学の先生だった。
そこからこのニックネームがついたのだろうか?
しかしその教師もすぐにやめてなんと自分でレコードを輸入して売るという小さなレコード屋さんを開業した。
それもブラックミュージック限定。
特にブルースに関してはレアなレコードをオークションで落として売っていたのでマニアからは注目されていた。
しかしその店は一年半で閉めて、友人と新しい店を構えてコサインはオークションでレコードを仕入れる事を専門に裏方に回る。
そこまでブラックミュージックに取り憑かれていたコサイン。
菜緒も彼のおかげでレアなレコードを沢山手に入れることが出来たという。
ブルースのレコードが日本ではまだまだ出回っていなかった時代。
みんな手に入れるのに苦労していた。
私も、彼のおかげでチャールズ・ブラウンのアラジンというレーベルのレコード(シングル盤)を手に入れることが出来た。
懐かしい良い思い出だ。
しかしそのコサイン、大病を患って入院して〝おやすみ工房〟を聴いてくれている。
そして先日、コロナ禍でもあるのに、短い時間だが彼と会うことが出来た。
そして「春になれ」を聴かせて昔の話しに花を咲かせた。
そこで彼がワードを出してくれた。
それが「桜に」。
菜緒がこの「桜に」をどう使うか?
彼はそんなことを言っていた。
そして菜緒に渡したところ、収録の前に曲が出来てしまったという。
私はその気持ちがよくわかった。
色んな思い出が書かせたのだろう。
だから今回の〝おやすみ工房〟はほとんど出来ていた曲を仕上げると言った内容だったがこういうのもいい。
〝おやすみ工房〟から生まれた曲には違いないのだから。
そこに応募で届いたワード「春うらら」はこの曲にピッタリで曲を色付けてくれた。
先程コサインから声のメッセージが届いた。
「ありがとう。最高の思い出になった。今の時代だからこその桜に送るメッセージソング。よかった。曲を送ってくれ。何度も聴きたいので。」
このような内容だった。
実は彼、コサインは目が不自由になっていて出会った時にこんな事を言っていた。
「目が不自由になってから歌がより心に響く。」
と。
今回の〝おやすみ工房〟の背景にはこのような事があった。
菜緒は少し気持ちが重かったと思う。
しかしこの曲「桜に」がまた〝おやすみ工房〟に大きな足跡を残した。
私が思うにはコサインが思っていた通りの曲を菜緒が作ったのではないかと思う。
天埜めぐみが言っていたように今回の「桜に」は間がある曲で難しかったのだろう。
菜緒に聞いたら間がある曲にしたかったと言う。
その間が歌詞を浮かび上がらせたと思う。
そして菜緒が面白い事を言っていた。
「桜の向こう側に人が居る。」
そうなんだな。
人に送る歌なんだなと思った。
コサインも言っていたが菜緒の作る歌は深い。
「春になれ」だけで終わるはずの春の歌がまたひとつ増えた。
さあ、今回は天埜めぐみも歌うパートもあって彼女らしい歌をうたっている。
そしてりかの歌声も個性的で〝おやすみ工房〟で生まれるセレナーデの特徴もハッキリしてきたように思う。
今年になって8曲目のセレナーデは私にとっては思いがけない歌になった。
最後に、ワードを出してくれたコサイン、元気になっていつまでも〝おやすみ工房〟を聴いて欲しい。
そして「桜に」にピッタリのワード「春うらら」を届けて下さったさきちゃん?にも感謝致します。
これからも〝おやすみ工房〟をお聴きください!
戸倉
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