戸倉がお届けするおやすみ工房のブログ〝 金曜日の日記〟。
昨夜は〝 おやすみ工房〟お聴き下さりありがとうございました。
今回もりかの出身地の石川県小松市を舞台にしたセレナーデが生まれました。
今回は出演者三人のワード、
りかが「おっしょべ祭り」
天埜めぐみが「那谷寺」
木村菜緒が「赤瀬ダム」
この三つのワードで生まれたセレナーデが、
「私の育った町をあなたに見せたい」
でした。
タイトルの通り、りかの育った町を描いている。
ストーリーは先週の続きで、小松に着いた恋人に街を案内するという設定。
今月は小松を舞台にラブソングを作っているのだがどう展開していくのか楽しみだ。
そして今回生まれた「私の育った町をあなたに見せたい」は!
まず、「おっしょべ祭り」というワードから出てくる「お末と竹松」という二人の名前がこの歌をドラマチックに演出した。
最後は本当にこの二人(お末と竹松)が行った「那谷寺」を出して締めくくるところがこの歌のドラマチックなところだ。
こういうローカルな設定で歌を作るのはとても難しいのだが、「おっしょべ祭り」から出てきた「お末と竹松」のドラマを自分たちに重ね合わせる事で「赤瀬ダム」という所がとてもロマンチックに映る。
木村菜緒に聞いたのだが、この「赤瀬ダム」は小松の山奥にあるそうなのだが、「おっしょべ祭り」は有名な温泉街、粟津温泉を舞台におこなわれるそうだ。
「那谷寺」は私も聞いた事があるのだが、粟津温泉の近くにあることは知らなかった。
後は歌を聴いて〝 りかの育った町〟を浮かべてみてください。
とても素敵な歌詞です。
さて、この曲はとても難しい。
菜緒も「この歌詞には簡単にメロディーを付けたくない」と言ってるが、ここまで難しい曲を短時間でよく付けたと思うし、何より二人がよく歌ったと思う。
菜緒が番組の中で、日本ではヘレン・メリルで有名なジャズのスタンダード、「You’d be so nice to come home to」のコード進行の出だしの部分とダブってしまったと言っている。
まあ彼の頭に何十年も前に刻まれたコード進行なので、こういうことはあって当たり前だ。
しかしメロディーも全く違うので、彼がそんなことを言わなかったら気づかない人も多い。
今回はその辺のことを少し書いてみたい。
毎週生まれるセレナーデ、振り返って見ると同じような曲は無い。
よく考えて作っているんだと改めて思った。
しかし菜緒に聞くと、今回のように後で、
「あの曲のコード進行やったな」
と思うことも多くて、
「曲作りというものは狭くもあり、広くもあるところで落し物を拾ってるようなものかな?」
と言っていた。
だから彼は、
「これ、完璧に自分のオリジナルです!」
と自信を持って言えないそうだ。
これは彼が沢山音楽を聴いてきたからこその後遺症なのか?
しかし最近は、「それでいい」と思っているそうだ。
コード進行は仕方ないにしても、歌詞には、言葉には選ばないといけないメロディーがあるので、それを素直に受け止めて作ったものは、「この歌詞にはこのメロディーしかない!」と思えるようになったと言う。
ちょっと曲は違うが、最近彼が作った「昭和の神戸のおばちゃん」と言う曲の中に、固有名詞が沢山出てくる。
百貨店の〝 大丸〟
パン屋さんの〝 ドンク〟。
舶来雑貨の〝 ミッチャン〟
神戸三ノ宮の〝 センター街〟
神戸元町の〝 トアロード〟
この固有名詞に付けているメロディーは、地元の人が話す時のイントネーションを元にメロディーを付けている。
このように、選ばざるを得ないメロディーってものが存在するってことなのだろう。
そして菜緒が言ったことは、
「突き詰めたら日本語の歌というものがそこにあることをこの歳になって気付いた。」
と。
この言葉の意味が私にはよく分かる。
ブルース、ソウル、ジャズという音楽のジャンルの壁に囲まれて音楽を捉えていた彼だから〝 この歳になって〟なのだろうと思った。
〝 曲作りというものは狭くもあり、広くもあるところで落し物を拾ってるようなもの 〟
このように木村菜緒は言っていたが、
〝 おやすみ工房のは三人は狭い広いところで宝探しをしている〟
ように思った。
来週はどうなるんだろう?
来週も〝 おやすみ工房〟お聴き下さい!
昨夜の「私の育った町をあなたに見せたい」はおやすみ工房のギャラリーサイトにて公開しました!
天埜めぐみとボーカロイドの桜乃そらが歌う「昭和の神戸のおばちゃん」も聴いてみてください。
(6月4日の〝おやすみ工房〟の特番「神戸のおばちゃんの早く寝 night!テーマソング)
コメント